今度、十九首ホームに入居してくれたＴさんは

お酒を飲む。

ベロンベロンになると会話が成立しなくなる。

トイレはびしゃびしゃ、玄関のドアはあけっぱなし

電気もつけっぱなしで、脱いだ服はそこらじゅうに散らばっている。

当然、他の利用者さんからは

クレームの嵐だ。

 

困るのは、会社が終わって外で飲み

帰ってこなくなること。

外で行き倒れでもされたら

えらいことになる。

 

そこで、相談員さんを交えて

Ｔさんと話し合いをすることになった。

 

（これはきつく注意しないとダメかなぁ…）

（生活を制限するところまでいくのだろうか…）

そんなことをぼんやり考えていると

話し合いが始まった。

 

そこでＴさんは、こう言い出したのだ。

「僕は、ここに来てお酒の量が半分になりました。

お金の管理も、きちんとできるようになりました。」

（･･･あれ？）

話が、想定したのと反対方向に進んでいく。

 

その後も、掃除ができたとか、洗濯をするようになったとか

そのような話が続いた。

 

そう、自分達が思っていた、Ｔさんのメチャクチャな生活は

大幅に改善された後の成果だったのだ！

 

結局最後は、注意どころか

こう言うしかなかった。

 

「Ｔさん、いいね！　この調子で頑張ろう！」

 

闘え！ ウキウキヒーローズ

つづく