不安いっぱい
2ヶ月前に新しい入居者が来た。
46歳の彼は、20年間職場でも家庭でも
ほとんど会話をしてこなかった人だ。
(障がいうぬんよりも、グルーホームの生活ができるだろうか…?)
不安いっぱいで、共同生活が始まった。
案の定、コミュニケーション能力はほとんどない。
挨拶も会話もない。
ご飯中はスマホを見て
食事が終われば何も言わず部屋に戻ってしまう。
すれ違うときは、顔をそむけてすれ違う。
(…頭いたい)
そんな彼だが、2ヶ月経ったある日、こう言ったのだ。
「ありがとうございます」
衝撃的だったが、「福祉をやっていて良かった」と思える瞬間だ。
闘え! ウキウキヒーローズ
つづく